産学官連携とは、大学や研究機関(学)の持つ技術シーズやノウハウなどの研究成果を、共同研究などを通じて民間企業(産)が産業化へ結びつける取り組みのことを言います。
一般に、民間企業には、大学等の研究資源を活用することにより効率的な研究開発を進めることができるメリットがあり、大学や研究機関等には、産業界のニーズを反映した研究を行うことができるメリットがあると言われています。産と学の結びつきが主であることから、従来から産学連携という言葉が使われていましたが、これを支援する政府などの行政機関(官)の取り組みが行われるようになり、あわせて産学官連携と言われるようになりました。
各大学においては地域共同研究センターやリエゾンオフィスなどの連携組織が整備され、また各地のTLO(技術移転機関)が設立されるなど、産学官連携は広がりを見せています。
これに加えて、最近では、大学や研究機関、行政、企業などが連携して何らかの取り組みを行うことを広く産学官連携と言う事も増えています。その範囲は産業にとどまらず、教育、防災、まちづくりなど多岐にわたります。
一例として、愛媛大学・愛媛県・松山市・松山商工会議所・愛媛経済同友会が参画する「プロテイン・アイランド・松山」があります。愛媛大学 遠藤弥重太 特別栄誉教授が開発した「コムギ無細胞タンパク質合成系」を核に、松山市をタンパク質研究の拠点にするべく、産学官が協力して各種事業を展開しています。
また、令和6年5月には愛媛大学、三井住友信託銀行、NES株式会社と4者で「起業家教育及び起業支援に関する連携協定」を締結しました。今後はさらに相互の連携を強化し、大学発ベンチャーをはじめ、スタートアップの創出や育成など起業を支援し、地域社会を活性化します。