樹木に寄生して成長するヤドリギは、城山公園をはじめ石手川緑地や市内公園、緑地にある大木(エノキ、ケヤキ等)に生育が確認されています。
従来、ヤドリギは、大木に寄生し木の水分や養分を吸い、宿主となって樹木を枯らすなど、生育環境を悪化させるものとして駆除していた経緯もあります。しかし、近年の調査研究により、通常では生長を阻害する程度にとどまる半寄生であり、晩秋から冬に熟す果実は、動物たちにとって餌の少ない冬季の貴重な食糧となり、さらに、密集する常緑の葉は、さまざまな鳥類の休憩や巣作りに使われるなど、近隣に生息する生物に良質な食糧と環境を提供し、生物多様性の維持に良好な効果を与える植物であることが明らかになっています。
これまで、本市では、お堀の遊歩道周辺や石手川緑地内の枯死した枝の落下があったエノキを樹木医に診断していただき、要注意の診断がなされた樹木は、ヤドリギの駆除を行っています。
今後も樹木とヤドリギ、近隣生物の三者の共存に着目し、積極的にヤドリギを駆除するのではなく、周囲の生態系にも配慮しながら自然な状態で適切な維持管理に努めてまいります。