1.制度の概要
■指定管理者制度とは
従来は、公の施設の管理において、地方公共団体の管理権限の下で、具体的な管理業務を委託できたのは、出資法人、公共団体(土地改良区等)、公共的団体(農協、生協、自治会等)に限られていましたが、地方自治法の改正(平成15年9月)により、民間事業者等の参入が可能となり、地方公共団体の指定を受けた「指定管理者」が管理を代行できることとなりました。
○(旧);地方自治法改正前<管理委託制度>
【地方公共団体の管理権限の下で、管理業務を委託】
委託先を地方公共団体の出資法人、公共団体(土地改良区等)、公共的団体(農協、生協、自治会等)に限定⇒『民間事業者等は対象外』
○(新);地方自治法改正後<指定管理者制度>
【地方公共団体の指定を受けた「指定管理者」が、管理を代行】
管理主体に特段の制約なし⇒『民間事業者等の参入可能』
※指定管理者制度の導入にあたっては、以下の手続が必要
・指定手続、業務の具体的範囲、管理基準等について条例を制定
・議会の議決を経て、期間を定め指定管理者を指定 等
■制度導入の目的
『多様化する住民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減を図ること』とされています。
■公の施設とは
「公の施設」は地方自治法上、「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」(地方自治法第244条第1項)とされており、次の要件を満たすものと考えられます。
・住民の利用に供するための施設であること。
・住民の福祉を増進する目的をもって普通地方公共団体により設置された物的施設であること。
・法律又は条例の規定により設置されていること。
<「公の施設」の種類及び具体例>
(1)レクリエーション・スポーツ施設…競技場、野球場、体育館、テニスコート、プール、スキー場、宿泊休養施設 など
(2)産業振興施設…情報提供施設 など
(3)基盤施設…駐車場、大規模公園、水道施設、下水道終末処理場 など
(4)文教施設…市民会館、文化会館、博物館、美術館 など
(5)医療・社会福祉施設…老人福祉センター など
(6)その他
2.制度の運用
■指定手続の流れ
(1)まず、業務の具体的範囲、管理基準等について条例を定めます。
(2)次に、候補団体の募集を行い、外部委員等の意見を聴取したうえで、選定を行います。
(3)最終的に、議会の議決を経て、期間を定めた上で指定管理者を指定することとなります。
■指定管理者の資格
法人その他の団体でなければならず、個人を指定することはできません。
なお、応募にあたって、施設毎に必要な資格要件を具体的に設定しています。
■地方公共団体から指定管理者へのチェック体制
地方公共団体から指定管理者へのチェック体制としては、以下に掲げる事項が挙げられます。
(1)指定管理者は、「管理業務の実施状況や利用状況」「使用料又は利用料金の収入実績」「管理の業務にかかる経理状況」などを記載した事業報告書(月次、四半期、年間)を作成し、市長が定める期日までに提出していただくこととなります。
(2)市は、指定管理者に対して、管理の業務又は経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示を行うことができます。
(3)監査委員又は外部監査人が、指定管理者の行う公の施設の管理の業務の監査を行うことができます。
3.導入状況
■導入施設
松山市では、平成18年4月から指定管理者制度を導入しており、施設の特性に応じ、指定期間を設定しています。導入施設数等の詳細は、毎年度4月1日時点のものを松山市ホームページに掲載しています。